宮城県白石市に「蔵王ありが豚」という豚のブランドがあります。
今回、3月11日に東北地方をおそった東日本大震災によって発生した
未曾有の津波の影響で、名取にある養豚場は壊滅的な状況となりました。
震災前に2000頭いた豚も被災し、生き残ったのはわずか93頭。
経営者の高橋さんらの懸命の世話にもかかわらず、
崩壊した農園の設備の中では満足な飼料を与えられず、
子豚は寒さで尊い命を失い、親豚はやせ細るばかりです。
震災翌日の養豚場の様子(名取市)
津波により豚舎などがほとんど流された名取の養豚場
[データ提供:google earth]
震災前の蔵王ありが豚の養豚場(名取市)
[データ提供:google earth]
養豚場に壊滅的な打撃を受けて、震災直後、高橋さん親子は養豚の再開をあきらめていました。
そんな高橋さん親子を励ましてくれたのは、地域の人達の姿でした。
自分たちがその日食べるものにも困る中、懸命にはぐれた豚の世話をしてくれた近所の人たち、地域のボランティアの方々。
そしてなにより、今までありが豚を支えてくれたお客さんからの激励が、高橋さん親子の再起の後押しとなったのです。
高橋さんは震災の日の夜、町が停電で真っ暗な中
白石にある実家の近くを走る高速道路を、関東方面から、すごい数の救急車が赤いランプであたりを照らしながら連なって仙台方面に走っていくのを見て、本当に心強かったそうです。
震災で改めて感じた、人と人とのつながり。
自分たちへ力を与えてくれた人と人とのつながりに感謝しながら、「また自分たちの豚を食べて欲しい、助けてくれた人への感謝を送りたい」と、再び養豚をはじめる決意をしました。
農家のこせがれネットワークでは、
「生産者と生活者が主役の食」という新しい食の関係性を提案し
ヒルズマルシェや丸の内朝大学など生産者を生活者と繋げる活動を行ってきました
今回の震災において、私たちがずっと行ってきた活動があるから出来る支援があると考えています
日本にはこだわりを持った、とびきりの生産者が沢山います
単なる消費者でなく、もう一歩先の関係を目指して